おとぎ話(笑)36コラボ編 [名作パロディー]
<おむすびころりん × 金の斧・銀の斧>
「さて、昼飯にするか」と包みを開けて、おむすびを取り出したおじいさん。
しかし食べようとしたら、手が滑ってしまった。
おむすびはそのまま、ころころ転がり、湖にポチャンと落ちてしまった。
「ああ、わしのおむすびが!」
おじいさんがガッカリしていると、湖からおむすびを持った女神が現れた。
「あなたが落としたのは、この、金のおむすびですか?」
「それはわしのおむすびだ。だけど金じゃない。中味は梅干しだ」
「金ではないのですか?」
「違うと言ってるだろう。腹が減ってるんだ。早く返してくれ」
「そうですか」
女神は、持っていたおむすびをおじいさんに渡して、首をかしげながら湖に帰った。
おじいさんは、無事に戻って来たおむすびを、パクリとひと口で平らげた。
「むむ、何か堅いものを飲み込んでしまった」
慌てて食べたので、梅干しの種を飲み込んでしまったのだと、おじいさんは思った。
「まあ、いいか」
家に帰ると、おばあさんがオロオロしながら待っていた。
「どうしたんだ、ばあさん」
「朝から私の指輪がないんですよ。おむすびと一緒に握っちゃったのかしら。おじいさん、おむすびの中に、入っていませんでしたか?」
「えっ、指輪?」
「そう、金の指輪」
金……のおむすび?
思わず、腸の辺りをさするおじいさん。
このあたりに、あるかも。
<桃太郎 × かぐや姫>
桃から生まれた桃太郎は、立派な若者になりました。
そろそろお嫁さんが欲しいなと思ったところに、おじいさんが言いました。
「桃太郎や、西の国に、竹から生まれた美しい姫がいるそうじゃ。どうやら結婚相手を探しているらしい。行ってみたらどうじゃ」
「竹から生まれた姫か。それは興味深い」
桃太郎はさっそく、かぐや姫のところに向かいました。
ずらりと並んだ花婿候補。
みんな身なりはいいけど、イマイチぱっとしません。
そんな中、桃太郎がやってきました。
「桃太郎です。職業は、鬼退治です」
「まあ、鬼退治?」
「鬼から奪った金銀財宝が、家にたんまりありますよ。そしてもれなく、かわいいサルと犬とキジがついてきます」
「素晴らしいですわ。だけど私、もうすぐ月に帰らなければいけませんの。実は私、月の姫なんです」
「おお、それはいい。地球の鬼は殆ど退治しちゃったから、そろそろ宇宙に進出しようかと思っていたんですよ」
「一緒に月に行ってくださるの?」
「もちろんです。そうだ。家来にウサギも加えましょう」
「あらステキ」
おじいさんとおばあさんは、月を見上げて思います。
「かぐや姫は元気かな」
「桃太郎は達者でやっているだろうか」
「さて、昼飯にするか」と包みを開けて、おむすびを取り出したおじいさん。
しかし食べようとしたら、手が滑ってしまった。
おむすびはそのまま、ころころ転がり、湖にポチャンと落ちてしまった。
「ああ、わしのおむすびが!」
おじいさんがガッカリしていると、湖からおむすびを持った女神が現れた。
「あなたが落としたのは、この、金のおむすびですか?」
「それはわしのおむすびだ。だけど金じゃない。中味は梅干しだ」
「金ではないのですか?」
「違うと言ってるだろう。腹が減ってるんだ。早く返してくれ」
「そうですか」
女神は、持っていたおむすびをおじいさんに渡して、首をかしげながら湖に帰った。
おじいさんは、無事に戻って来たおむすびを、パクリとひと口で平らげた。
「むむ、何か堅いものを飲み込んでしまった」
慌てて食べたので、梅干しの種を飲み込んでしまったのだと、おじいさんは思った。
「まあ、いいか」
家に帰ると、おばあさんがオロオロしながら待っていた。
「どうしたんだ、ばあさん」
「朝から私の指輪がないんですよ。おむすびと一緒に握っちゃったのかしら。おじいさん、おむすびの中に、入っていませんでしたか?」
「えっ、指輪?」
「そう、金の指輪」
金……のおむすび?
思わず、腸の辺りをさするおじいさん。
このあたりに、あるかも。
<桃太郎 × かぐや姫>
桃から生まれた桃太郎は、立派な若者になりました。
そろそろお嫁さんが欲しいなと思ったところに、おじいさんが言いました。
「桃太郎や、西の国に、竹から生まれた美しい姫がいるそうじゃ。どうやら結婚相手を探しているらしい。行ってみたらどうじゃ」
「竹から生まれた姫か。それは興味深い」
桃太郎はさっそく、かぐや姫のところに向かいました。
ずらりと並んだ花婿候補。
みんな身なりはいいけど、イマイチぱっとしません。
そんな中、桃太郎がやってきました。
「桃太郎です。職業は、鬼退治です」
「まあ、鬼退治?」
「鬼から奪った金銀財宝が、家にたんまりありますよ。そしてもれなく、かわいいサルと犬とキジがついてきます」
「素晴らしいですわ。だけど私、もうすぐ月に帰らなければいけませんの。実は私、月の姫なんです」
「おお、それはいい。地球の鬼は殆ど退治しちゃったから、そろそろ宇宙に進出しようかと思っていたんですよ」
「一緒に月に行ってくださるの?」
「もちろんです。そうだ。家来にウサギも加えましょう」
「あらステキ」
おじいさんとおばあさんは、月を見上げて思います。
「かぐや姫は元気かな」
「桃太郎は達者でやっているだろうか」
2024-09-12 11:26
nice!(10)
コメント(6)
リンさんさん こんばんは
2つの物語をコラボさせたとはさすがです。
by SORI (2024-09-12 20:23)
はは、、笑わせていただきやした。どちらの話しも面白かったでやす!
2つの物語を掛け合わせるというアイデアも、リンさんならではで、さすがの発想!と唸りやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2024-09-13 08:18)
桃太郎とかぐや姫のカップル、
素晴らしいですね^^
しかも最初から息もピッタリ^^
障害のある恋の方が燃えるとは言いますが、
全てがピッタリとハマって、
周囲からも祝福される恋の方が、
長い目で見たら、
良いのではないかと思います^^
by 青山実花 (2024-09-13 09:11)
<SORIさん>
ありがとうございます。
勝手にコラボさせてます。
怒られないかな(笑)
by リンさん (2024-09-17 14:44)
<ぼんぼちぼちぼちさん>
ありがとうございます。
こういう話は、書いていてとっても楽しいです。
また考え付いたら書いてみます^^
by リンさん (2024-09-17 14:48)
<青山実花さん>
ありがとうございます。
かぐや姫は、家柄や権力よりも、いっしょに月に行ってくれる人を求めていたのかも^^
いきなり現れる月の王子より、いいんじゃないかな^^
by リンさん (2024-09-17 14:50)