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おとぎ話(笑)22 猛暑編 [名作パロディー]

<ゆきおんな>

雪山で命を助けたあの男。
あれから半年たったけれど、私のことを誰かに話してはいないだろうか。
誰かに話したら殺すと言った約束を、忘れてはいないだろうか。
ちょっと様子を見に行くか。
ゆきおんなは、久しぶりに里に下りた。
男の遭難から半年後の、7月のことだった。
「暑!! なにこれ、暑!!!」


<かさ地蔵>

おじいさんは、町に笠を売りに行きましたが、猛暑で誰も歩いていません。
「そりゃそうだ。わしも帰ろう」
峠を通りかかると、お地蔵さんが並んでいました。
「お地蔵さんも暑かろう」
おじいさんが笠をかぶせてあげようとしたら、
「笠より水がいい」と言うので、持っていた水をかけてあげました。
最後のお地蔵さんだけ水が足りなかったので、スポーツドリンクをかけてあげました。
「おじいさん、それはいいことをしましたね」
おばあさんに言われて、おじいさんはうなづきました。
「涼しくなって石もきれいになって、喜んでおられるじゃろう」
翌日、スポーツドリンクをかけられた地蔵にアリがたかり、真っ黒になり、
「祟りだ、祟りだ」と大騒ぎになることを、おじいさんはまだ知らない。


<浦島太郎>

砂浜で、子供たちがカメをいじめていました。
そこへ浦島太郎がやってきました。
「こらこら、君たちダメじゃないか」
『あ~、助かった』(カメ)
「こんな炎天下に帽子もかぶらないで。日射病になったらどうするんだ」
『え~、そっち~』(カメ)
「そんなカメなんか放っておいて、かき氷を食べに行こう」
「やった~、ありがとう浦島さん。お礼に姉ちゃんがバイトしてるパブ龍宮城の割引券あげるね」
『え~、龍宮城って、そっち~?』(カメ)


<ネズミの嫁入り>

ネズミの両親は、娘の結婚相手を探していました。
「やはりこの世で一番強い者がいいわ」
「太陽だ」「太陽より雲」「雲より風」「風より壁」「壁よりネズミ」
「なんだ、やっぱりネズミか。面白くないな」
「ネズミより強いのは人間よ」
「人間は暑さに弱いぞ。ということは、やっぱり太陽か」
「太陽と結婚させましょう。太陽といっしょなら、きっと明るい未来になるわ」
(ネズミは、夜行性です)


<桃太郎>

「桃太郎さん、きび団子ください」
「僕の家来になるならあげるよ」
「なる、なる」
こうして、サル、犬、キジが家来になりました。
「桃太郎さん、それで、どこに行くんですか?」
「決まってるだろう。被災地のボランティアさ」

西日本豪雨の被災者のみなさま、1日も早い復興を心よりお祈りいたします。


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