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祝!300記事 [とぼけた話]

りんさんの記事が、めでたく300記事目になりました。
そこで今日は、りんさんにインタビューしてみようと思います。

司会「りんさん、おめでとうございます。感想を教えて下さい」
りん「はい。わりと丈夫です。夕べもワイン1本開けたけど全然平気で…」
司会「いや…。肝臓ではなく、感想です」
りん「あっ…。はい、うれしいです」
(ボケてるのか?この人ボケてるのか?)

司会「いろんなジャンルに挑戦していますが、得意なジャンルは何ですか?」
りん「あんまり高く飛べないんですよね。運動は苦手で」
司会「ジャンプじゃなくて、ジャンルです」
りん「ああ…。そうですね、コメディかな」
(なんだ、このボケ。ちょっとうざいわ)

司会「座右の銘を教えて下さい」
りん「けっこう悪いんですよね。左が0.4で右が…」
司会「左右の目じゃないですよ。座右の銘です」
りん「ああ、え~と、日々精進です」
(ありえね~。マジボケか?)

司会「どんな時にお話を作るんですか?プロセスを教えて下さい」
りん「う~ん。あんまり詳しくないんですよね。格闘技は好きじゃなくて」
司会「プロレスじゃなくて、プロセスです」
りん「ああ~、暇なときにテキトーに作ります」
(だんだん腹立ってきた)

司会「最近のマイブームを教えて下さい」
りん「はあ、ちょっと散らかってます。かたずけなくちゃ」
司会「マイルームじゃなくて、マイブームです」
りん「あらやだ…。え~と、書道です」
(疲れるわ。ひょっとしてバカなんじゃないかしら)

司会「今後の抱負があったらお聞かせください」
りん「やっぱり、湯豆腐かしら。寒いからね」
司会「…豆腐じゃありません。抱負です」
りん「ああ…。抱負ね、みなさんに喜ばれる話を書くことです」
(ここまで来ると、もはや神だわ)

司会「では、最後に読者の皆様にひと言」
りん「あたしには関係ないわ」
司会「いや…。他人事(ひとごと)ではなく、ひと言です!」
りん「あ、なんだ。え~と、これからもヨロシクです」
(ああ疲れた。帰って寝よ)

りん「あの~、ところでこれ、何のインタビューだったんですか?」
司会「はあ?知らなかったんですか?ブログの記事が300話になったんですよ」
りん「なんですって!部落のキジが300羽に?生態系が崩れるわ」
(殴っていいですか?)

***

というわけで、このブログもなんと300記事になりました。
いつも読んで下さる方。コメントを下さる方。通りすがりの方。
本当にありがとうございます。
これからも飽きられないように、楽しい話を書いていきたいと思います。
どうぞ宜しくお願いします。

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忘れるための薬 [とぼけた話]

全てを忘れる薬を作った博士。
試しに飲んでみた。

「どうです?博士。実験は成功ですか?」

「はて?わたしは何をしていたのかな?」

どうやら実験は成功のようだ。

「よかった。成功ですね。じゃあ本格的に作りましょう」

「いや…薬の作り方を忘れてしまった」

というわけで、今度は全てを思い出す薬を作った。
試しに飲んでみた。

「どうです?博士。思い出しましたか?」

「思い出した!3年前の3月4日に君に貸した50円をまだ返してもらってないぞ。それから6年前の10月22日に君に貸した本を返してもらってないぞ」

「…またどうでもいいことを思い出しましたね。まあ、とにかく実験は成功ですね。では忘れる薬の作り方も思い出したのですね」

「うん、思い出した。しかし私にはもう薬は必要ない。だから作らない」

「なぜです?」

「忘れる薬を作ろうと思った理由を思い出したのだ」

「理由って何です?」

「うん、私は君の奥さんに恋をしていたんだ。辛い辛い恋だった。
だからそれを忘れる為に、薬の開発に取り組んだのだ。
しかしもう必要ない。だって君たちは去年離婚したんだから。
もう忘れなくていいんだ。だから薬はいらない」

「そんな!博士、お願いです。全てを忘れる薬を作ってください、わたしのために。
元妻のことが忘れられなくて辛いんです」

「いやいや、離婚したことまで忘れられては困る。なにしろ彼女は私ともうすぐ再婚するんだから」

「えええ??」

ますます全てを忘れたい助手くんだったが、思い出と共に生きていくのもいいのかも…と溜息をつくのであった。

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一枚うわて [とぼけた話]

        一枚うわて

 街の居酒屋。[ビール]
ひとりで酒を飲む男のところへ、肩を怒らせた男が近付いてきた。

「おい!」

「よう。この前はごちそうさま」

「誰がご馳走するって言ったんだ。勝手に先に帰りやがって」

「あれ?そうだった?
だって君、あの時『払いたい』って言ったじゃないか」

「言ってない。おれが言ったのは『腹痛い』だ。
お前が変なもの食わせるから、腹が痛くなったんだ」

「な~んだ。そうだったの。てっきり払いたいのかと思ったよ。
人の行為は無にしちゃ悪いしと思ったんだ。」

「ふざけやがって」

「まあ、座って一杯飲んで行けよ。
今日はオレに奢らせてくれよ」

「まあ、そう言うなら…
焼酎のお湯割をもらおうか」

「しかし、君も進歩がないな。また焼酎のお湯割りかい?
それで、つまみはあぶったイカか?時代遅れだね~。
どうだ、おれが今風の飲み方を教えてやろうか」

「何だよ。感じ悪いな。なんでそんな驕(おご)った言い方をするんだ」

「だから最初に言っただろう。
今日は驕(おご)らせてもらうよ、って」

「はあ?そういうことか。じゃあ勘定はどうなるんだ」

「もちろん、割り勘だよ」

「そりゃないよ。お前の方が先に飲んでたんだ。
それじゃあ割りに合わない

「割りに合わない?じゃあ、焼酎の量を増やしたらどうだ?」

「いや、お湯割の話じゃないよ。
まったくお前と話してると、胃が痛くなるよ」

「胃?胃ってどのへん?」

「腹の真ん中辺だよ」

「じゃあ、腹が痛いのか?」

「ああ、そうだよ、腹痛いんだよ

「ごちそうさま」

「は?」

「だって今、払いたいって言っただろ」

「いい加減にしろ!」[手(グー)]

 どうしても、彼の方が一枚うわてだった。
勘定のときに、決まってトイレに消える人よりは、まだマシかも…
いずれにしても、友達にはしたくないタイプである

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縮めりゃいいってもんじゃない [とぼけた話]

 [晴れ]あけましておめでとうございます[晴れ]

「あけましておめでとう」
「よう、おめでとう。今年もよろしくな」

「さっきそこで、知らない若者にあいさつされたよ。
『あけおめ』ってさ」
「今の若いやつは、なんでも縮めて言うからな」

「うん、だからオレも言ってやった。『ことよろ』って」
「ははは、ことしもよろしくの略だね。君もなかなかやるなあ」

「そしたら、その若者が、急に怖い顔をして『かねだせ』って言ったんだ」
「かねだせ?何の略語だ?」

「それが思いつかなくてさ、何だと思う?」
「うーん。『可燃ごみはいつ出せますか?』とか?」

かねんごみはいつだせますか

「なるほど。でも主婦じゃあるまいし、正月から生ゴミの心配するか?」

「じゃあ、こんなのは?
『金本の打線は相変わらずすごいなあ』」

かねもとのだせんはあいかわらずすごいな

「は?野球の話?そいつ阪神ファンなの?」

「さあ?見た目はヤンキーズ だけどな」
「ヤンキーってことか。ハハハ、うまいね、どうも」

「それよりこれは?
『鐘の音に、煩悩を吐き出せ』」

かねのねにぼんのうをはきだせ

「除夜の鐘かよ。正月早々やめてくれよ。それよりこれはどう?
『かねがね思ってましたが、そのシャツ出せませんか?』」

かねがねおもってましたがそのしゃつだせませんか

「長いな。まあ確かにシャツをズボンに入れてるのはダサいよな。
でもそれを忠告してくれるほど親切に見えなかったぞ」

「そうか…じゃあ…」

「金出せ…とか?」

「金出せ?それはないだろう。今の若いやつが縮めないで言葉を話すわけがない」

「それもそうだな」

「それで、その若者はどうしたんだい?」

「うん、オレが全然意味わからなかったからさ、あきれて行っちゃったよ。
『もういい』って言ってさ」

「もういい?何の略語だ?」

「????」

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無人島のふたり [とぼけた話]

「今日は何月何日だ?」

「さあ?」

こんな会話をしているふたり。

海で遭難して、無人島にたどり着いた。

魚を捕ったり木の実を食べたりして、なんとか生きていた。

「クリスマスは終わったかな?」

「そうだな。遭難したのが11月だったから、そろそろじゃないか?」

「ああ、シャンパン飲みたいね」

「フライドチキンも食べたい」

「ケーキもね」

目の前の海を見ながら、そんな事を思っていると、天から神様が降りて来た。

「お前たち、いままでよく頑張ったな。ご褒美に、願い事をひとつだけかなえてあげよう」

神様に言われて、ふたりは考えた。

「チキンかケーキかシャンパンか。ひとつに決めるのは難しい」

「それなら、これはどうだ。
『クリスマスのごちそうが欲しい』」

「なるほど。それなら全部食べられるぞ」

ふたりは、そのようにお願いをして、目の前にたっぷりのごちそうを出してもらった。

「うまいうまい」

「ああ、いいクリスマスだった」

「ところでクリスマスの後は正月だな」

「そうだな。今度神様が来たら、お餅を頼もうじゃないか」

「ああ、それいいね」

のんきなふたりは、そんなふうにわらっていたけれど・・・

神様に、「帰れます様に」ってお願いしなかったことを、後悔するのはずっと後のことだった。

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ケイタイ依存症のY [とぼけた話]

       ケイタイ依存症のY


新入社員のY君は、ヒマさえあればケイタイをいじっている。

いや、ヒマじゃなくてもいじっている。

これを世間では、ケイタイ依存症と呼ぶのだろうか。

昼休みはとっくに終わっているのに、ケイタイのゲームに夢中になっている。

「おい、仕事中だぞ」

と叱ると、

「これをクリアしないと、気になって仕事なんか手につきませんよ」

だと。


また別の日は、ひっきりなしにメールをしている。

「おい、仕事中だぞ」

「即返しないと彼女怒るんですよ」

そんな女は別れてしまえ…とも言えず、肩をおとす。


また別の日はワンセグでテレビを見ている。

「おい、仕事中だぞ」

「あ、課長、今いいところですよ」

ゴルフの中継を見ていた。

これは私もちょっと見たいかも。


また彼は、通勤途中で面白いものを見つけると、写メを撮ってきてみんなに見せる。

面白いので、彼の周りは人だかりができる。

なかなかの人気者だ。


「メアド教えて」は彼のあいさつ代わりの言葉だ。

赤外線通信という機能も、彼から教えてもらった。

缶コーヒーもケイタイで買い、音楽もケイタイで聴く。

絵文字すら使ったことがない私にとっては、まったく未知の世界だ。


ある昼休み、Y君と食事をしていたら、めずらしく私のケイタイが鳴った。

「もしもし」

電話は妻からだった。

大した用でもなかったので、すぐに電話を切ると、となりのY君が羨望の眼差しで私を見ている。

な、なんなんだ?

そしてY君は言った。

「課長のケイタイすごいっすね。

電話もかけられるんですか?」

「……???」

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