A君とB子 [男と女ストーリー]
あのさ、これは友達の話なんだけど、そいつ、仮にA君にするね。
A君には、生まれたときからずっと一緒の幼なじみの女の子がいるんだ。
生まれたときから一緒だからさ、妹みたいなものだよね。
だけどね、最近急に彼女を意識するようになったんだって。
8歳くらいまで風呂も一緒に入っていたし、お泊りして一緒の布団で寝たことだってある。友達っていうより家族みたいな関係だ。女として見たことなんか一度もない。
それなのにさ、急に彼女のことが好きになっちゃったんだって。
A君は割とイケメンだからモテるんだよ。
それでさ、色んな女の子に告白されて付き合ったけど、どこかでその幼なじみと比べてしまうんだって。
付き合った彼女と、幼なじみと、どっちが好きかって心に問いかけると、答えはいつも幼なじみの方だった。
つまりさ、A君にとって一番好きな女の子は、幼なじみの彼女なんだよ。
それに気づいて、何度か告白しようとしたらしいんだけど、どうもうまくいかない。
だってさ、今更「好きです、付き合ってください」って言ってもさ、
「なにそれ、ドッキリ?」とか言われるのがオチさ。
だからさ、このまま幼なじみでいた方がいいのかな?
あっ、友達のA君がそう思っているみたいなんだけど、夕夏はどう思う?
「それ、本当に友達の話?」
「そ、そうだよ。A君の話だよ」
ふーん。あたしの友達のB子も、同じようなことを言ってたわ。
8歳くらいまで風呂も一緒に入っていたし、お泊りして一緒の布団で寝たことだってある幼なじみの男の子が、昔から好きなんだって。
結婚の約束もしたらしいよ。4歳くらいのときにね。
幼なじみの方は全く憶えていないらしいけどね。
その幼なじみは、自分ではイケメンだと思っているみたいだけど、B子が言うにはいつもフラれてばっかりだって。
来るもの拒まずで、ブスとばっかり付き合うんだって。
まあ、結局最後は、B子のところに戻ってくるんじゃないかって言ってた。
何しろ子供の頃とはいえ、婚約しているんだからね。
だけどね、B子も結構いい歳だし、優柔不断な幼なじみを待つよりも、マッチングアプリで金持ちの男でも探した方がいいのかな。
……って、友達のB子が言うんだけど、大樹くん、どう思う?
「それ、本当に友達の話?」
「そ、そうよ。B子の話よ」
「あのさ、大樹くん。A君はちゃんと気持ちを伝えた方がいいと思うわ。A君の幼なじみは、きっと美人で可愛くて賢くて優しい子だから」
「うん。伝える。ところで夕夏、B子ちゃんは、幼なじみを待っていた方がいいと思うな。男らしくて凛々しい幼なじみの彼は、きっと明日あたり告白するんじゃないかな」
「うん。わかった。B子に伝えるね」
不器用な幼なじみのふたりは、明日また会う約束をして別れた。
A君には、生まれたときからずっと一緒の幼なじみの女の子がいるんだ。
生まれたときから一緒だからさ、妹みたいなものだよね。
だけどね、最近急に彼女を意識するようになったんだって。
8歳くらいまで風呂も一緒に入っていたし、お泊りして一緒の布団で寝たことだってある。友達っていうより家族みたいな関係だ。女として見たことなんか一度もない。
それなのにさ、急に彼女のことが好きになっちゃったんだって。
A君は割とイケメンだからモテるんだよ。
それでさ、色んな女の子に告白されて付き合ったけど、どこかでその幼なじみと比べてしまうんだって。
付き合った彼女と、幼なじみと、どっちが好きかって心に問いかけると、答えはいつも幼なじみの方だった。
つまりさ、A君にとって一番好きな女の子は、幼なじみの彼女なんだよ。
それに気づいて、何度か告白しようとしたらしいんだけど、どうもうまくいかない。
だってさ、今更「好きです、付き合ってください」って言ってもさ、
「なにそれ、ドッキリ?」とか言われるのがオチさ。
だからさ、このまま幼なじみでいた方がいいのかな?
あっ、友達のA君がそう思っているみたいなんだけど、夕夏はどう思う?
「それ、本当に友達の話?」
「そ、そうだよ。A君の話だよ」
ふーん。あたしの友達のB子も、同じようなことを言ってたわ。
8歳くらいまで風呂も一緒に入っていたし、お泊りして一緒の布団で寝たことだってある幼なじみの男の子が、昔から好きなんだって。
結婚の約束もしたらしいよ。4歳くらいのときにね。
幼なじみの方は全く憶えていないらしいけどね。
その幼なじみは、自分ではイケメンだと思っているみたいだけど、B子が言うにはいつもフラれてばっかりだって。
来るもの拒まずで、ブスとばっかり付き合うんだって。
まあ、結局最後は、B子のところに戻ってくるんじゃないかって言ってた。
何しろ子供の頃とはいえ、婚約しているんだからね。
だけどね、B子も結構いい歳だし、優柔不断な幼なじみを待つよりも、マッチングアプリで金持ちの男でも探した方がいいのかな。
……って、友達のB子が言うんだけど、大樹くん、どう思う?
「それ、本当に友達の話?」
「そ、そうよ。B子の話よ」
「あのさ、大樹くん。A君はちゃんと気持ちを伝えた方がいいと思うわ。A君の幼なじみは、きっと美人で可愛くて賢くて優しい子だから」
「うん。伝える。ところで夕夏、B子ちゃんは、幼なじみを待っていた方がいいと思うな。男らしくて凛々しい幼なじみの彼は、きっと明日あたり告白するんじゃないかな」
「うん。わかった。B子に伝えるね」
不器用な幼なじみのふたりは、明日また会う約束をして別れた。
2020-09-02 11:05
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コメント(6)
リンさんさん こんにちは
早く告白してほしくなるストーリーです。でも、これが告白なのかもしれません。もう少しは続くのでしょうね。
by SORI (2020-09-02 13:39)
うふっ、かわいい。
by 雫石鉄也 (2020-09-02 13:53)
ふふふ、二人とも不器用、、、でも可愛いでやすなあ。
うまくいきそうで何よりでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2020-09-04 19:04)
<SORIさん>
ありがとうございます。
近くにいすぎて、なかなか告白できないことってありますよね。
少女漫画なら、めちゃくちゃイラつく展開です^^
by リンさん (2020-09-08 19:31)
<雫石鉄也さん>
ありがとうございます。
素直になれないふたり、可愛いですね。
by リンさん (2020-09-08 19:37)
<ぼんぼちぼちぼちさん>
ありがとうございます。
自分の話を「友達が」って言うことってありますよね。
バレバレなのに、可愛いですね^^
by リンさん (2020-09-08 19:38)