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今年もお世話になりました

2022年は、私にとって最高の年でした。

日本動物児童文学賞の奨励賞から始まり、
家の光童話賞 大賞、
新美南吉童話賞 最優秀賞
深大寺恋物語 調布市長賞

1年で、こんなにたくさんの賞をいただいたのは初めてです。

そして3月から始まった「ニュースつくば」の連載と、それに伴って絵を描き始めたこと。
これも私にとってはとても楽しいことでした。
あと、インスタも始めました。
内容は、ほぼネコです^^

そんなこともあって、ブログの更新が少なくなってしまったのは、ちょっと反省です。
来年はもう少しちゃんと更新します。


来年は、「5分ごとにひらく恐怖の扉百物語2期」の本が出ます。
そのときはまたお知らせしますね。
これからも良いお知らせがたくさんできるように頑張ります^^

一年間ありがとうございました。
みなさま、よいお年をお迎えください。

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来年もヨロシクにゃん♪
お布団の中から失礼にゃん♪

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サンタさんのランク付け

ユミちゃんの家には、天井に届きそうなほど大きなクリスマスツリーがある。
てっぺんの星は、パパに肩車してもらって飾るんだって。
すごいね。
うちにはクリスマスツリーもないし、パパもいない。

サンタさんは、いつも望み通りの物を持ってきてくれない。
去年は大きなクマのぬいぐるみをリクエストしたのに、運動靴が置いてあった。
「ごめんね。クマさん売り切れだった」っていうお手紙と一緒に。
その前は、プリンセスのお洋服をリクエストしたのに、ペンケースだった。
お洋服も売り切れだったんだ。

「ねえママ、ユミちゃん、サンタさんにピンクの自転車をお願いしたんだって」
「ふうん。ステキね」
「わたしは、何をお願いしたらいい?」
「カナコが欲しいものにすればいいでしょう。今年は何が欲しいの?あっ、お正月に着るコートは?小さくなっちゃったよね」
「それは欲しいものじゃなくて必要な物。サンタさんよりメルカリでしょ」

ああ、ママに言っても無駄だよね。
きっとサンタさんは、ランク付けをしてるんだろうな。
わたしの家はランクが下の方なんだ。
でも、遠いところにいるのに、どうやってランク付けするのかな。

あっ、そうか。クリスマスツリーだ。
大きなツリーの大きな星でランク付けをしてるんだ。
こうしちゃいられない。
次の日、学校でユミちゃんに訊いた。
「クリスマスツリーってどこで買うの?」
「えっ、知らないよ。カナちゃん、ツリー欲しいの?」
「うん。大きな星をつけたいの」
「じゃあ、うちの倉庫に古いのがあるよ。ママが粗大ごみの日に出すって言ってた」
「捨てるなんてもったいない。もらっていい?」

そんなわけで、ママとふたりでユミちゃんちのクリスマスツリーをもらいに行った。
星と飾りももらった。
ユミちゃんちに比べたら小さいけど、これでランクは上がると思う。
「部屋が賑やかになったね」
ママが笑った。
わたしは背伸びして、てっぺんに星を飾った。
サンタさん、わたしの家のランク、これで上がったよね。
わたしは「キッズケータイがほしいです」とサンタさんに手紙を書いた。

クリスマスの朝、枕元には、水色のコートが置いてあった。
お正月に着るコート。なんだ、サンタじゃなくてメルカリじゃん。
「キッズケータイは、もう少しおねえさんになってからね」と書かれた手紙があった。
なーんだ。ランク上がってないじゃん。

次の日、水色のコートを着てユミちゃんの家に遊びに行った。
ユミちゃんは庭でピンクの自転車に乗っていた。
「あっ、カナちゃん。そのコート、めっちゃ可愛いね。どこで買ったの?」
「サンタさんにもらった」
「いいなあ。それ、すごく有名なブランドのコートだよね」
「えっ、そうなの?」
「そうだよ。そのマークの服、割と高いよ」

これって、ランク上がったってこと?
きっとクリスマスツリーを飾ったからだね。
やったあ! サンタさん、ありがとう。
(メルカリだけどね)

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おとぎ話(笑)32 [名作パロディー]

<ウサギとカメ>

「お願いしますよ。今回だけ、ウサギが勝つことにしてもらえませんか」
「ダメですよ。ウサギは油断して昼寝をして負けるんです。油断は禁物っていう教訓のお話なんですよ」
「しかしですね、ウサギ役の子が、議員の孫なんですよ」
「議員って、あの、町の権力者の?」
「そうなんです。お遊戯会も見に来るんですよ」
「ウサギを勝たせましょう」

よい子のみなさん、これが、忖度です。


<かさ地蔵>

「ちょいとおまえさん、峠の地蔵に笠をかぶせただけで、大金持ちになったじいさんがいるんだと」
「ほう、笠をかぶせただけで大金持ちに」
「だからさ、おまえさんも行ってきな」
「どこに?」
「峠の地蔵に笠をかぶせに行くんだよ」
「しかしうちには笠などないぞ」
「じゃあ、笠屋に行って買ってきなよ。地蔵は七人だから七つ買うんだよ」
「よし、行ってくる」

「おじいさん、笠がまた七つ売れましたね。お地蔵さんに笠をかぶせてから、どういうわけか飛ぶように売れますねえ」
「ありがたいことだ」


<白雪姫>

「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?」
「すみません。個人情報に触れるため、お答えすることはできません」
「いままで答えていたじゃないか」
「すみません。鏡の世界も色々ありまして。法律が厳しくなって、すぐに訴えられてしまうんですよ」
「じゃあ、これだけ教えて。この世で一番美しいのは、私か?」
「違いますよ。本当の美人は、鏡にそんなこと尋ねませんから」
「名誉棄損で訴える!」


<マッチ売りの少女>

マッチが全然売れないわ。このままじゃ帰れない。
あっ、すごくお金持ちそうなおじさんがいる。
あのおじさんに買ってもらおう。
「おじさん、マッチ買って」
「マッチなんかいらないよ」
「だっておじさん、すごくお金持ちでしょう。ほら、ポケットにたくさん宝石が入ってるわ。一個ぐらい買ってよ」
「いいから離せ。急いでいるんだ」
そのとき、人混みをかき分けて、警察官がやってきた。
「見つけたぞ、宝石強盗。逮捕だ」
あら、おじさん泥棒だったのね。捕まっちゃった。
「お嬢ちゃん、ご協力ありがとう」
お礼言われた。お礼より、マッチ買ってよね。

結局マッチは売れなかったけど、マッチの籠の中にダイヤが3粒。
おじさんのポケットからこぼれて入ったのね。
これ、もらっていいかな?

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お知らせ(家の光童話賞・新美南吉童話賞) [公募]

ワールドカップ、盛り上がっていますね。
私も朝から応援しました。
日本代表に力をもらいました。寝不足だけど^^

さて、いつもブログを読んでくださる皆さま、ありがとうございます。
このたび、家の光童話賞の大賞をいただきました。

そして、なんともうひとつ。
新美南吉童話賞の最優秀賞をいただきました。
こちらは、オマージュ部門の大賞とのダブル受賞です。

これから季節は寒い冬なのに、私、お花畑にいるみたい。
大きな童話賞を二つもいただけるなんて。
浮かれてます。

家の光童話賞は、雑誌「家の光」1月号で読むことが出来ます。
すごく可愛い挿絵が付いてます。
チェックしてみてください。

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新美南吉童話賞は、ホームページで読むことが出来ます。
こちらもどうぞ。

http://www.nankichi.gr.jp/Dowasyo/kekka34.html

家の光からは、賞状と楯が届きました。
あまりに立派な楯で、これは家宝にするしかないです^^
毎日拝みます。

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長く続けていると、ステキなご褒美がもらえるものですね。
これからも、いい報告が出来るように頑張ります^^
いつもありがとう!!


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