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浦島太郎はなぜ? [名作パロディー]

「浦島太郎はなぜ玉手箱を開けてしまったのか」
今日は、このテーマで話し合いをします。
では、各グループに分かれて、話し合ってください。

Aグループ
「お腹が空いたんじゃない?」
「あー、わかる。玉手箱って、お弁当箱と似てるもんね」
「豪華な弁当って感じだな」
「あー、お腹空いちゃった。ねえ、遠足のお弁当って何がいい?」
「玉子焼きとウインナーは必須でしょ」
「のり巻きもいいな。中がお花になってるの」
「でもやっぱり、定番はアレでしょ」
「あー、アレね」


Bグループ
「捨てようと思ったんじゃない?」
「あー、ずっと持ち歩くの、邪魔そうだよね。でも何で開けるの?」
「中身確認しなきゃ。ちゃんと分別しないと、条例違反になるだろ」
「そうか。プラスチックかな?」
「あんな昔にプラスチックなんかないよ。木だよ」
「じゃあ燃えるゴミ?」
「でも、海の中で作られたんだから、違う物質かも」
「サンゴとか?」
「貴重だね。それ、捨てたらもったいないよ」
「じゃあ、アレだね」
「うん、アレしかないね」


Cグループ
「絶望だよ。きっと、ひどく絶望して開けてしまったんだ」
「絶望って、何に?」
「考えてみろよ。三百年後に行っちゃったんだぜ。親も知り合いもいないところに放り出されて、そりゃあ絶望だろう」
「そうかな。僕だったら三百年後に行けたらスゲー嬉しいけど」
「うん。ワクワクするよね」
「行くだけならいいさ。帰ってこれないんだぜ。それでもいいのか?」
「でもさ、三百年後なら、あるんじゃない、アレ」
「あー、あるある。絶対あるよ、アレ」
「アレって?」


Dグループ
「乙姫様が恋しくて開けたんだと思うわ」
「そうかな」
「そうよ。ひとりぼっちで寂しくて、愛しい人を思い出したのよ」
「でもさ、愛しい乙姫が絶対開けるなと言ったのに、開けちゃうんだ。それって、裏切り行為じゃない?」
「開けるなは、開けろっていう意味よ。好きなのに嫌いって言っちゃう男子みたいに」
「ああ、そういう芸人いたよね。押すな押すなは、押してくれってことでしょ」
「なにそれ?」
「知らないの? アレだよ、アレ」
「なに?」
「アレだよ」


さあ、みなさんまとまりましたか。では順番に、発表してください。

Aグループ 「からあげ!」
Bグループ 「ネットオークション!」
Cグループ 「タイムマシン!」
Dグループ 「ダチョウ倶楽部!」

?? いったい、どんな話し合いをしたらそうなるの?


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コメント 8

SORI

リンさんさん おはようございました。
すごいです。アレを思いつく出演者もリンさんさんも
楽しく読ませていただきました。
by SORI (2021-09-17 08:05) 

しろまめ

てっきり、バラバラに話し合っていても同じ「アレ」にたどり着くのか思っていたら……。
先生も唖然ですね。
昔気質の先生なら激怒して、次の授業は丸々お説教でしょうか。

by しろまめ (2021-09-17 09:37) 

ぼんぼちぼちぼち

Dグループの答えが、あっし的に一番好きでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2021-09-17 21:23) 

リンさん

<SORIさん>
ありがとうございます。
こうやって話がずれていくこと、よくありますよね。
by リンさん (2021-09-22 14:02) 

リンさん

<しろまめさん>
ありがとうございます。
最後に同じ「アレ」にたどり着く。ああ、その結末面白いですね。
そこまでの脳みそがありませんでした。残念!
by リンさん (2021-09-22 14:03) 

リンさん

<ぼんぼちぼちぼちさん>
ありがとうございます。
「押すな、押すな」は、わかっていても笑っちゃいますよね^^
by リンさん (2021-09-22 14:05) 

雫石鉄也

発表は蛇足でしたね。
結末をあかさず、読者の想像にまかせるという手法もあります。
この作品の場合、その手法をとった方が、より良くなると思います。
結末をあかさない手法の小説を
リドル・ストーリーといいます。E・R・ストックトンの「女か虎か」が代表作です。
ウィキペディアにも載ってます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC
ご参考まで。

by 雫石鉄也 (2021-09-24 14:30) 

リンさん

<雫石鉄也さん>
ありがとうございます。
そういう手法もあるんですね。
勉強になります。
by リンさん (2021-09-24 22:14) 

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