サン・ジョルディの日 [男と女ストーリー]
君は、サン・ジョルディの日を知っているかい?
男性が女性に花を、女性が男性に本をプレゼントする日なんだよ。
君が好きな花を、僕は知っているよ。
花屋の店先で足を止めて、かわいいガーベラの花を見ていたよね。
だから今日は、ピンクや黄色のガーベラを花束にして君に贈ろう。
僕は、そんな手紙を添えた花束を、彼女のアパートのドアの前に置いた。
彼女は今日も遅いだろうか。
最近、韓国語講座に通い始めた。ネイルアートの勉強もしている。
彼女はがんばり屋だ。
「僕は君をいつも応援してるよ。おやすみ」
そう言って、彼女のアパートを後にした。
翌日、彼女は朝から出かけた。仕事は休みのはずだが、半年前から始めたゴルフに夢中なのだ。
いないと知りつつ、彼女のアパートを訪ねると、ドアの前に紙袋がかかっていた。
彼女からのお返しだ。お返しは、もちろん本だ。
僕の想いがようやく通じた。
袋の中には、彼女からの手紙が添えられていた。
君が書いてくれた、初めての手紙。
嬉しさで震える手で開けた。
『あなたに警告するわ。
ストーカーは犯罪よ。すぐにやめなければ、警察に訴えるわ。
サン・ジョルディだか何だか知らないけれど、あなたにピッタリの本を贈るわ。
これっきり、私の周りをうろつかないで』
フフ…素直じゃないな。ストーカーだなんて失礼な。
ただ見ているだけなのに、犯罪なわけないだろう。
君だってまんざらじゃないくせに。その証拠に、こうして本をプレゼントしてくれたじゃないか。
僕は本の包みを開いた。
『人間失格』
それが、彼女の答えだ…
サン・ジョディの日は、ほんとはとってもステキな日。
こんな話でごめんなさい
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男性が女性に花を、女性が男性に本をプレゼントする日なんだよ。
君が好きな花を、僕は知っているよ。
花屋の店先で足を止めて、かわいいガーベラの花を見ていたよね。
だから今日は、ピンクや黄色のガーベラを花束にして君に贈ろう。
僕は、そんな手紙を添えた花束を、彼女のアパートのドアの前に置いた。
彼女は今日も遅いだろうか。
最近、韓国語講座に通い始めた。ネイルアートの勉強もしている。
彼女はがんばり屋だ。
「僕は君をいつも応援してるよ。おやすみ」
そう言って、彼女のアパートを後にした。
翌日、彼女は朝から出かけた。仕事は休みのはずだが、半年前から始めたゴルフに夢中なのだ。
いないと知りつつ、彼女のアパートを訪ねると、ドアの前に紙袋がかかっていた。
彼女からのお返しだ。お返しは、もちろん本だ。
僕の想いがようやく通じた。
袋の中には、彼女からの手紙が添えられていた。
君が書いてくれた、初めての手紙。
嬉しさで震える手で開けた。
『あなたに警告するわ。
ストーカーは犯罪よ。すぐにやめなければ、警察に訴えるわ。
サン・ジョルディだか何だか知らないけれど、あなたにピッタリの本を贈るわ。
これっきり、私の周りをうろつかないで』
フフ…素直じゃないな。ストーカーだなんて失礼な。
ただ見ているだけなのに、犯罪なわけないだろう。
君だってまんざらじゃないくせに。その証拠に、こうして本をプレゼントしてくれたじゃないか。
僕は本の包みを開いた。
『人間失格』
それが、彼女の答えだ…
サン・ジョディの日は、ほんとはとってもステキな日。
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2010-04-23 20:06
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コメント(5)
トラックバック(1)
ま、まさかのストーカーだったんですね。
サン・ジョルディ・・・・・・初めて聞きました。
面白いですねえw
by 愛輝 (2010-04-25 21:19)
< 愛輝さん>
ストーカーでした(^0^)
きれいな話が書きたかったのですが、どうも、こんな風になってしまいました。
サン・ジョルディの日はステキです。本をプレゼントするなんて、いいですよね。なかなか浸透しませんが…
by リンさん (2010-04-26 21:59)
りんさん、サン・ジョルディーノ!
(んな挨拶あんのか?)
というわけで、トラバからこちらに来ました。
トラバいただく前に、ブログ右の『検索ボックス』で『ジョルディ』と入力して検索したら、9行目の『彼女はがんばり屋だ』までしか表示されなかったんですよ。やっと全文読めましたぁ。
なんかこういうオサレなイベントにはオチをつけちゃいたくなりますよねぇ!
んなわけでこっちからもトラバ、えい。
by 矢菱虎犇 (2012-04-25 04:52)
<矢菱さん>
読んでくださってありがとうございます。
サンジョルディの日って素敵!って思ったんだけど、ふたを開けたらこんな話(笑)
そしたら矢菱さんも、私以上のすごいオチでびっくりでした^^
トラバ、ありがとうございま~す^^
by リンさん (2012-04-25 17:36)
はじめまして(^^)
結末が鋭い!
行為で応えつつ、贈り物で拒絶! この男性としては痛いですね(笑)
なんだか、小説現代の、ショートショートコンテストを読んでいるような気分になりました。
by 西沢このは (2012-04-30 04:57)