七夕さま [コメディー]
<笹の葉さ~らさら ♪>
「お、もうすぐ七夕か。萌々香は短冊に何を書いたんだ?」
「え~、教えな~い」
「そんなこと言わないで。パパにだけこっそり教えてくれよ」
「う~ん。じゃあ大好きなパパにだけ短冊見せてあげる。とくべつだよ」
「嬉しいなあ。どれどれ。ん?」
『桜井翔くんがパパになってくれますように』
…おれの立場は?
<再会 ♪>
「1年ぶりだね」
「ええ、本当ね。私たち、まるで織姫と彦星ね」
「いや違う。彦星と織姫だ」
「は?同じじゃないの」
「違う。男の名前を先に言うものだ」
「何それ。男尊女卑?時代錯誤もいいとこだわ」
「最近は男を立てない女が多すぎる」
「はいはい。じゃあ言い換えるわ。私たち、まるでベガとアルタイルね」
「え…と、どっちが男?」
「自分で調べなさい」
<願い事 ♪>
もうすぐ七夕。園児たちが書いた短冊は、なんて可愛いのかしら。
『ケーキやさんになりたい』『さっかーせんしゅになりたい』『ゲームソフトがほしい』
あらら、クリスマスと勘違いしている子もいるわ。
星が願いを叶えてくれるなら、私も願い事を書こうかな。
ちょうどお昼寝の時間だし。
やっぱりこれだわ。『結婚』
保育士って、やりがいあるけど忙しいし、出会いが少ないの。
若い頃は見た目重視だったけど、今は違うわ。
『結婚は中身』短冊余ってるから理想のタイプを書いてみよう。
やっぱり安らぎが欲しいわよね。
『求む、包容力』
『頼り甲斐』『経済力』『健康で長生き』『転勤ない人』
「先生、なに書いてるの~?」
「あ、あら、起きちゃったの?」
「あ~、あたしこの字知ってる。けっこんって読むんでしょ」
「あ、あら、よく読めるわね。漢字なのに」
「あとはひらがなしか読めないや。え~…と…結婚、は、む、り、で、き、な、い」
「……」
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「お、もうすぐ七夕か。萌々香は短冊に何を書いたんだ?」
「え~、教えな~い」
「そんなこと言わないで。パパにだけこっそり教えてくれよ」
「う~ん。じゃあ大好きなパパにだけ短冊見せてあげる。とくべつだよ」
「嬉しいなあ。どれどれ。ん?」
『桜井翔くんがパパになってくれますように』
…おれの立場は?
<再会 ♪>
「1年ぶりだね」
「ええ、本当ね。私たち、まるで織姫と彦星ね」
「いや違う。彦星と織姫だ」
「は?同じじゃないの」
「違う。男の名前を先に言うものだ」
「何それ。男尊女卑?時代錯誤もいいとこだわ」
「最近は男を立てない女が多すぎる」
「はいはい。じゃあ言い換えるわ。私たち、まるでベガとアルタイルね」
「え…と、どっちが男?」
「自分で調べなさい」
<願い事 ♪>
もうすぐ七夕。園児たちが書いた短冊は、なんて可愛いのかしら。
『ケーキやさんになりたい』『さっかーせんしゅになりたい』『ゲームソフトがほしい』
あらら、クリスマスと勘違いしている子もいるわ。
星が願いを叶えてくれるなら、私も願い事を書こうかな。
ちょうどお昼寝の時間だし。
やっぱりこれだわ。『結婚』
保育士って、やりがいあるけど忙しいし、出会いが少ないの。
若い頃は見た目重視だったけど、今は違うわ。
『結婚は中身』短冊余ってるから理想のタイプを書いてみよう。
やっぱり安らぎが欲しいわよね。
『求む、包容力』
『頼り甲斐』『経済力』『健康で長生き』『転勤ない人』
「先生、なに書いてるの~?」
「あ、あら、起きちゃったの?」
「あ~、あたしこの字知ってる。けっこんって読むんでしょ」
「あ、あら、よく読めるわね。漢字なのに」
「あとはひらがなしか読めないや。え~…と…結婚、は、む、り、で、き、な、い」
「……」
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2013-07-03 14:05
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コメント(12)
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〈願い事〉が、一番面白かったです。
さすがですね。りんさんの言葉遊びテクニックがいかんなく発揮されましたね。
by 雫石鉄也 (2013-07-03 14:27)
【 アイム・ソーリーw 】
|電柱|・ω・`)ノ ヤァ
りんさん、これを待っていたんですw
三本とも、見事に秀逸だと思う四草めぐるでございますw
私も頑張ってみましたが……、不発ですなw
そうですかw
りんさんにとって、お話を書く事はストレス発散なのですね^^b
だとしたら、私には何も言う事はありませんw
杞憂でしたなw
というか結局、自分の経験則で物事を考えてしまうものだと思います^^;
私自身、煮詰まった時は書かないようにしているだけですw
とっとと寝ると、それだけですw
モノを書くのが嫌いになったら、本末転倒ですからw
元も子もないですからね。
ただ、それを心配しただけで、そう大した考えもない発言でしたw
私自身、極力、自分にウソをつきたくない人間なのでw
では、では。
草々。
by 四草めぐる (2013-07-03 14:44)
わーい。
三本ともなかなか上出来なりんさんコメディーですね。
特に三本目は短い中に仕込まれた贅沢なトリックが効いていますね。
いやいや、脱帽。
僕も一つだけ。
『菜々香の願い事』
「あなた、七夕おわったから笹飾り片付けてくださいな」
「え?でも、生ごみに出してもいいのか?」
「飾りや笹は生ごみでいいわ。短冊は神社で焚きあげてもらうって言うけど、自分で燃やしてもいいって」
「それじゃー庭で燃やそうか。お?菜々香の願い事か。「お父さんがいつまでも元気なように」泣けて来るな~「お母さんとお父さんがいつまでも仲良しでいるように」ちょっと長いけどこれもじんわり来るよな。あれ?これは何にも書いてないな。あ、文字が出て来た。あぶり出し?「お父さんがニノだったら幸せに暮らせます」なんだと??」
by 海野久実 (2013-07-03 18:28)
また笑ってしまった。短い文章でも、楽しませてもらえる。ありがとうです。
by さきしなのてるりん (2013-07-03 20:39)
ふふふ さすがりんさん。
ブラックりんさん こっそり降臨ですね。
でも笑っちゃいました~。
by もぐら (2013-07-03 23:49)
参りました。「願い事」かなしか読めない子供にね。
どこからアイデアが湧くのかしら。才能以外にナイ。
面白かったです。
by dan (2013-07-04 14:30)
<雫石鉄也さん>
ありがとうございます。
言葉遊びは楽しいけど考えるのに時間がかかってしまいます。
一度考え始まると、もう他のことは考えられず、頭の中がこればっかりでした。
喜んでもらえてホントによかった^^
by リンさん (2013-07-06 11:42)
<四草めぐるさん>
いつもありがとうございます。
そうですね。
楽しみながら書かないとやっぱり辛くなるかもしれませんね。
まあこれは、仕事ではないので、とにかく気楽に読んでいただけたらと思います。
これからもよろしくお願いします^^
by リンさん (2013-07-06 11:45)
<海野久実さん>
いつもお話を考えてくれてありがとうございます。
なるほど。あぶり出しとは考えましたね。
わざわざあぶり出しにする辺り、本気の願いのようで、パパはショックでしょうね(笑)
う~ん、嵐人気はすごいですね^^
by リンさん (2013-07-06 11:48)
<さぎしなのてるりんさん>
ありがとうございます。
笑ってもらえて何よりです^^
by リンさん (2013-07-06 11:48)
<もぐらさん>
ありがとうございます。
そうそう、ブラックはこっそり。そしてちょっぴりね^^
by リンさん (2013-07-06 11:49)
<danさん>
ありがとうございます。
子供が、かなだけを読んだりするのを、たまに見かけることがあって、面白いなと思っていたんです。
日本語だからこそ書ける話ですよね^^
by リンさん (2013-07-06 11:52)