おとぎ話(笑)30 [名作パロディー]
かさ地蔵
おや、峠の地蔵さんがノーマスクだ。
感染したら大変じゃ。
予備のマスクを持っているから掛けてあげよう。
あれ、1つ足りない。
仕方ない。わしのマスクを外して……
「それだけは勘弁してくれ」
アリとキリギリス
「頼むよ。食べ物を分けておくれよ」
「いやだよ。夏のあいだ遊んでいた自分が悪いんじゃないか」
「そう言わずに。一匹でいいからさ」
「一匹? キリギリスさんは何を食べるの?」
「アリ」
「………」
赤ずきん
「やあ、赤ずきんちゃん。森の奥にきれいなお花が咲いてたよ。摘んでおばあちゃんのお見舞いにしたらどうだい?」
「ありがとう。オオカミさん」
さて、ここで問題です。
オオカミは、ここで赤ずきんを食べることも出来るのに、なぜ食べなかったのでしょう。
A:そこまで空腹じゃなかった。
B:おばあさんも食べたかった
C:絵本を売るための、大人の事情
かちかち山
おばあさんに酷いことをしたタヌキを懲らしめる方法を考えた。
まず山に誘って焚き木を背負わせて、その焚き木に後ろから火をつける。
そしてやけどしたタヌキの背中に、薬だと言って塩をたっぷり塗り込むんだ。
きっと痛くて痛くて転げまわるだろうな。ざまーみろだ。
それで今日、山にタヌキを誘ったんだけど、何だか気が乗らない。
こういうことって、計画を立てているときが一番楽しいんだよね。
あーでも、一応火をつけようかな。火打石持ってきたし。カチカチカチ
「あのさ、うさぎさん。心の声、全部漏れてる」
はなさかじいさん
枯れ木に花を咲かせたおじいさんは、すっかり有名になりました。
名声は海外にまで届き、アメリカ人の少年がおじいさんを訪ねてきました。
「ジャパニーズオジイサン、オ願イガアリマス。ボクハ、パパノ桜ノ枝ヲ折ッテシマイマシタ。ナントカクッツケテ花ヲ咲カセテクレマセンカ」
「ジョージ君と言ったかな。花を咲かせるのはたやすいが、それは素直に謝った方が君のためだと思うぞ。お父上はきっと許してくれるだろう」
「ワカリマシタ。ソウシマス」
そして少年は、素直に謝り、やがて大統領になりました。
****
このシリーズ、ついに30!
おとぎ話界からクレームが来ることもなく続けられたのは、みなさんの応援のおかげです(大げさ)
一応30を目標にしていたけど、とりあえず50までは頑張ろうかな(笑)
2022-05-03 10:25
nice!(10)
コメント(8)
リンさんさん こんにちは
パロディーにはいつも感心させられます。楽しく読ませていただきました。
by SORI (2022-05-03 16:54)
いつもながら、短くてパンチが効いていて面白いです。
お地蔵さんのセリフと、「ジャパニーズオジイサン」には特に笑えました。
by しろまめ (2022-05-03 18:01)
ぜひ50を目指してください。
by 雫石鉄也 (2022-05-06 13:19)
はは、、、どれも面白かったけど、あっし的には、特に「笠地蔵」と「アリとキリギリス」がツボでやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-05-06 14:11)
<SORIさん>
ありがとうございます。
私も楽しみながら書いています。
今後ともよろしくお願いします。
by リンさん (2022-05-11 16:53)
<しろまめさん>
ありがとうございます。
話が思いつかないときは、このシリーズに限ります(笑)
by リンさん (2022-05-11 17:00)
<雫石鉄也さん>
ありがとうございます。
頑張ります^^
by リンさん (2022-05-11 17:00)
<ぼんぼちぼちぼちさん>
ありがとうございます。
アリとキリギリス、現実はきっとこうですよね(笑)
by リンさん (2022-05-11 17:03)