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おとぎ話(笑)31 [名作パロディー]

<浦島太郎>

信じてください。殺意なんてなかったんです。
わたしはただ、助けてもらった恩返しがしたかったんです。
ええ、そうです。竜宮城にお連れしようと思っただけです。
まさか、人間が海の中で呼吸が出来ないなんて知りませんでした。
本当です。殺すつもりなど微塵もありませんでした。
私は無罪です。

「判決を言い渡す。亀、有罪。懲役千年」
「ええ~、有罪? でもまあ、千年ならいいか。寿命長いし」


<ヘンゼルとグレーテル>

「お兄さん、見て。お菓子の家よ」
「本当だ。屋根は瓦せんべいだ」
「壁は落雁よ」
「柱は千歳あめだ」
「庭のお花は和三盆よ」
「ドアは羊羹だ」
「窓は飴細工ね」

「ちょっと、私のお家を食べているのはだあれ?」
「あっ、おばあさん、ちょうどいいところに。渋いお茶をお願いします」
「あたしも」


<赤ずきん>

「やあ、赤ずきんちゃん、こんにちは」
「こんにちは、オオカミさん」
(やだ、どうしてこのオオカミ、あたしの名前知ってるの?ヤバくない?)

「この先に、きれいな花畑があるよ。おばあさんのお見舞いに摘んでいったらどうだい?」
「ありがとう。オオカミさん」
(あたしがお見舞いに行くって、どうして知ってるの?ヤバくない?)

「ほら、きれいだろう」
「わあ、お花がいっぱい!」
(マジできれいな花畑。ヤバくない?)

「たくさん摘みましょ。おばあさま、きっと喜ぶわ」
(あれ?オオカミいない。ヤバくない?)

赤ずきんちゃん、本当にヤバいのは、この後です。


<舌切りすずめ>

すずめのお宿に招待された優しいおばあさん。

「ありがとうね。そろそろ帰るよ」
「おばあさん、お土産です。大きなつづらと小さなつづら、どちらがいいですか?」
「あら、つづらとは粋だね。どれどれ。ああ、どっちもいい仕事しているね。職人技が光っているよ。じっくり見させておくれ。そうだねえ、小さい方がちょっと丁寧かな。漆の塗り方がいいね。じゃあ、小さいのをもらうよ。ありがとうね」

「おばあさん、差し上げたいのは中身なのにね」
「目利きのおばあさんだったわね」
「小さい方を選んでくれてよかったわね」
「大きい方を選んでいたら話が変わっちゃう」

*****

久々の投稿になってしまいました。
義母が入院して、毎日落ち着かない日々です。
でも、こんなときこそ楽しいお話がいいですね。



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