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おとぎ話(笑)20 [名作パロディー]

<かぐや姫>

「おばあさんや、かぐや姫は月に帰ってしまったのう」
「そうですね、おじいさん。これからどうします?」
「うーん、介護ヘルパーでも雇うか」
「仕方ないですねえ」
「ああ、当てが外れたな」


<ヘンゼルとグレーテル>

森で迷子になったヘンゼルとグレーテルは、深い森を彷徨いサバイバル生活を続けるうちに、すっかり大人になりました。
「お兄さん、見て、お菓子の家よ」
「ちぇ、赤ちょうちんじゃないのか」
「今夜あたり、おでんで一杯やりたかったわ」


<笠地蔵>

「おじいさん、この前笠をかぶせてあげたお地蔵さまからお手紙が来ました」
「なに、金一封でも入っているのか?」
『この前はありがとう。次回はポンチョでお願いします』
「……ポンチョ?」


<小人の靴や>

「まあ、夜中に小人が靴を仕上げてくれたわ」
「ありがたいなあ」
「何かお礼をしましょうよ」
「いくら小人でも、タダ働きというわけにはいかん」
「そうだ。紙と鉛筆を置いて、欲しいものを書いてもらったらどう?」
「そうしよう」
老夫婦は、作業場に紙と鉛筆を置いて眠りました。
翌日、紙に要望が書いてありました。
「どれどれ」
『店と家の権利書』
「………」


<赤ずきん>

赤ずきんは、おばあさんのお見舞いに来ました。
ベッドには、おばあさんになりすました悪いオオカミが寝ています。
「こんにちは、おばあちゃん。あのね、ここに来る途中、森の中でね、オオカミさんに会ったの。オオカミさんがね、あっちにきれいな花が咲いているからおばあさんに持って行ってあげたらって言うから行ってみたら、ほんとうにきれいなお花畑だったの。ねえ、おばあちゃん、わたし、あんなに優しくて素敵なオオカミさんに会ったのは初めてよ。また会いたいなあ。ちょっと、好きになっちゃったかも。ねえ、おばあちゃん、また会えるかな。……あれ? おばあちゃん? どうしたの? 泣いているの?」
「食えねえ…。俺にこの子は食えねえ…」


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このシリーズも、ついに20作になりました。
そろそろネタ切れか!


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