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飽食の時代

きのう、冷蔵庫で賞味期限切れになった食材を捨てました。
まだイケるかな、と思ったけれど、まあいいか、と捨てました。

うっかり食べるのを忘れたパンが、かびていたので捨てました。
買ったことさえ忘れていました。

知人から頂いたお漬物が辛すぎて口に合わず、仕方がないので捨てました。
ごめんなさいと呟いてから捨てました。

ファミレスで頼んだ料理が食べきれなくて残しました。
ご飯を3分の1くらい残しました。
そのくせデザートのアイスクリームはぺろりと食べました。

今の私をあなたが見たら、きっと眉をひそめるでしょうね。
食べ物がなくてやせ細って、死んでいったらあなたが見たら。

でもね、もしもあなたが生きていたら、私と同じことをするでしょう。
だってね、これが当たり前になっているんだもの。
飽食の時代よ。
こんな時代が来るなんて、あなた想像できた?

ねえあなた。夢でもいいから私を叱ってくださいな。
贅沢だと目を吊り上げて言ってくださいな。
まあ、無理よね。
遠い、遠い昔だもの。魂だってどこか遠くへ行ってしまったわね。
ああ、誰か私を叱ってくれないかしら。

「おばあちゃま、ご飯を残したら大きくなれないよ」

あら、ひ孫が叱ってくれた。
ありがとう。そうよね。ご飯を残してはいけないわよね。
これ以上、大きくなることはないけどね。


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きのう、戦争と平和の講演を聞きに行った影響で、こんな話を書いてみました。
戦中戦後の体験談とか、いろいろ考えさせられました。
決して贅沢な暮らしをしているわけじゃないけれど、年末に冷蔵庫の掃除をすると、出てくるよね、無駄な食材。
平和な時代にあぐらをかいていてはいけませんね。

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