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細かいことが気になる「桃太郎」 [名作パロディー]

「おじいちゃん、この本読んで」
「おお、桃太郎か。よし、読んであげよう」
『むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました』

「昔って、どのくらい昔?」
「そうだな。100年……200年くらい前かな」
「ふうん。じゃあ、あるところってどこ?」
「あー、そうだなあ、岡山とか、そのあたり……かな」

『おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に行きました』

「ちょっとまって。ふたりとも出掛けたの?家を空けて大丈夫? 鍵は掛けた?」
「あー、昔は、鍵なんか掛けなくても大丈夫なんだよ」
「ふうん。平和なんだね。だけどちょっと心配だな」

『おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。おばあさんはそれを家に持って帰りました』

「大きいって、どのくらい大きいの?」
「うーん。直径1メートルくらいかな」
「おばあさんは、どうやって持って帰ったの?」
「そりゃあ、両手で抱えて持ち帰ったんだろ」
「洗濯物は? 川に洗濯をしに行ったんだろ。両手で桃を持ったら、洗濯物が持てないよ」
「たしかに。あっ、後で取りに行くんだ。じいさんとばあさんの洗濯物なんか、誰も持って行かないだろう」

『家に帰って桃を切ろうとしたら、中から元気な男の赤ん坊が出てきました。おじいさんとおばあさんは、桃太郎と名付けて大事に育てました』

「赤ん坊が入っていたのか。さぞかし重かっただろうね。で、洗濯物は取りに行った?」
「行ったと思うよ。乾いたかどうかは分からないけどね」

『桃太郎は、あっという間に大きくなって、ある日、鬼ヶ島へ鬼退治に行くことになりました』

「鬼退治?鬼って退治されるような悪いことをしたの?」
「村人の宝を盗んで、鬼ヶ島で悠々自適に暮らしていたんだ」
「ほら見ろ、僕の杞憂が現実になったね」
「杞憂?」
「さっき言ったじゃないか。出掛けるとき、鍵は掛けたのかって。鍵を掛けずに出掛けるから盗まれるんだ。鬼のせいばかりとは言えないね」
「そうだな。戸締りは大事だ」

『桃太郎はサル、イヌ、キジを家来にして、鬼ヶ島に向かいました』

「家来が動物と鳥? 意思の疎通は出来たのかな? あ、出来ない方が都合いいんだ。家来として使いやすいからね」
「そうかもしれんな」

『桃太郎は、見事に鬼を退治して、宝物をごっそり持って家に帰りました。めでたし、めでたし』

「宝物って何?」
「そりゃあ、金銀財宝だろう」
「今は金の相場が高いから、相当なお金になるね。鍵を掛けるくらいじゃだめだね。警備会社に依頼して、セキュリティを強化した方がいいよ」
「ああ、その通りだな」
「それから、村人にお金を返して余ったら、桃太郎は寄付をするべきだと思う」
「寄付? どこへだい?」
「動物愛護団体だよ。このままだと動物虐待で訴えられるよ」
「なるほど」

「おじいちゃん。次はこれ読んで。浦島太郎」
「もう勘弁してくれ」

※「細かいことが気になる浦島太郎」近日公開???

*******
先日、「林家たい平落語会」に行ってきました。
面白かったです。めっちゃ笑いました。
やっぱり笑いが一番ですね。

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おとぎ話(笑)30 [名作パロディー]


かさ地蔵

おや、峠の地蔵さんがノーマスクだ。
感染したら大変じゃ。
予備のマスクを持っているから掛けてあげよう。

あれ、1つ足りない。
仕方ない。わしのマスクを外して……
「それだけは勘弁してくれ」


アリとキリギリス

「頼むよ。食べ物を分けておくれよ」
「いやだよ。夏のあいだ遊んでいた自分が悪いんじゃないか」
「そう言わずに。一匹でいいからさ」
「一匹? キリギリスさんは何を食べるの?」
「アリ」
「………」


赤ずきん

「やあ、赤ずきんちゃん。森の奥にきれいなお花が咲いてたよ。摘んでおばあちゃんのお見舞いにしたらどうだい?」
「ありがとう。オオカミさん」
さて、ここで問題です。
オオカミは、ここで赤ずきんを食べることも出来るのに、なぜ食べなかったのでしょう。

A:そこまで空腹じゃなかった。
B:おばあさんも食べたかった
C:絵本を売るための、大人の事情


かちかち山

おばあさんに酷いことをしたタヌキを懲らしめる方法を考えた。
まず山に誘って焚き木を背負わせて、その焚き木に後ろから火をつける。
そしてやけどしたタヌキの背中に、薬だと言って塩をたっぷり塗り込むんだ。
きっと痛くて痛くて転げまわるだろうな。ざまーみろだ。

それで今日、山にタヌキを誘ったんだけど、何だか気が乗らない。
こういうことって、計画を立てているときが一番楽しいんだよね。
あーでも、一応火をつけようかな。火打石持ってきたし。カチカチカチ

「あのさ、うさぎさん。心の声、全部漏れてる」


はなさかじいさん

枯れ木に花を咲かせたおじいさんは、すっかり有名になりました。
名声は海外にまで届き、アメリカ人の少年がおじいさんを訪ねてきました。

「ジャパニーズオジイサン、オ願イガアリマス。ボクハ、パパノ桜ノ枝ヲ折ッテシマイマシタ。ナントカクッツケテ花ヲ咲カセテクレマセンカ」

「ジョージ君と言ったかな。花を咲かせるのはたやすいが、それは素直に謝った方が君のためだと思うぞ。お父上はきっと許してくれるだろう」

「ワカリマシタ。ソウシマス」

そして少年は、素直に謝り、やがて大統領になりました。


****
このシリーズ、ついに30!
おとぎ話界からクレームが来ることもなく続けられたのは、みなさんの応援のおかげです(大げさ)
一応30を目標にしていたけど、とりあえず50までは頑張ろうかな(笑)

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おとぎ話(笑)29 [名作パロディー]

<舌切りすずめ>

舌を切られたすずめを助けたおばあさんは、すずめのお宿に招待されて、たいそうなもてなしを受けました。
「おばあさん、お土産です。大きなつづらと小さなつづら、どちらがいいですか」
「あら、ご馳走になった上にお土産までくれるの? どうしましょう。じゃあ、大きい方をもらおうかね。大は小を兼ねるから」
「えっ、大きい方?」
「(ひそひそ)予想外だ。謙虚なおばあさんが大きい方を選ぶなんて」
「(ひそひそ)どうしよう。大きい方にはお化けやヘビが入っているのに」

「それからね、悪いけど、箱は邪魔になるから中身だけもらえないかね」
「な、中身だけ?」
「(ひそひそ)どうする?ここで開けたら大変なことになる」
「(ひそひそ)困ったな。想定外だ」
「(ひそひそ)現金渡して帰ってもらおう」



<かさ地蔵>


「おじいさん、誰か来ましたよ」
「どなたさんですか」
「警察だ」
「け、警察!」
「今日、午後4時ごろ、峠の地蔵に笠を被せたのはおまえか?」
「ひ、ひええ、笠を被せたら、罪になるんですか?」
「ただの事情聴取だ。被せたのか、被せてないのか、どっちだ」
「ひええ、やってません。被せてません」

「おじいさん、大丈夫ですか?」
「ああ、警察は帰った。峠で何かあったのかな。くわばらくわばら」

「お地蔵様、全ての民家に確認しましたが、笠を被せた男はいませんでした」
「そうか。せっかくお礼の品を用意したのになあ」


<ヘンゼルとグレーテル>

「おにいさん、見て。お菓子の家があるわ」
「本当だ。食べていいのかな」
「ちょっと味見だけしてみない?」
「そうだね」

「ああ、なんだこの濃厚なチョコレートは」
「メレンゲのふわふわ感が絶妙だわ」
「このクッキー、バターの香りが芳醇だ」
「うわあ、洋酒に付け込んだマロングラッセよ。口に含むとフランスの田園風景が浮かんでくるわ」
「マカロンもある。うん。ちょうどいい甘さだ」
「しっとり感がたまらないわね。きっと作ったのは本場で修業をした人よ」

「あっ、そこの黒い服のおばあさん。すみませんがシェフを呼んでいただけますか」
「いや、そういう話じゃないんだけど(グルメ童話か!)」


<うさぎとかめ>

うさぎが昼寝をしているあいだに、カメがゴールしました。
「やった!勝ったぞ。あれ、うさぎさんは?」
「まだ寝てるよ」
「よほど疲れているんだろうな」
「肩ひじ張って生きてるもんな」
「ずっとトップを走るのはつらいことだよ」
「見てごらん。気持ちよさそうに寝てるよ」
「このまま寝かせてやろう」

うさぎ「ふぁ~、よく寝た。あれ、もう夕方?レースは?ああ、もうどうでもいいや。不思議だな。負けたのに気分がいいや」

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ここ掘れワンワン [名作パロディー]

僕は、かの有名な「花咲かじいさん」の子孫だ。
先祖代々この土地に住み続け、白い犬を飼うことが習わしになっている。
「花咲かじいさん」を読んだ人はご存じだと思うが、犬が「ここ掘れワンワン」と吠えるところを掘れば、お宝がザックザック出てくるのだ。

おじいちゃんのときは金塊を掘り当てた。
お父さんのときは一等の宝くじを掘り当てた。
そうしてこの家は、常に繁栄してきたのだ。
しかし僕は、犬が嫌いだ。幼いころに噛まれてから、見るのも怖い。
「仕方ないね。あんたは犬の力を借りずに慎ましく生きなさい」
両親に言われた通り、僕は慎ましく生きた。
気づけば40手前で独身だ。資産を増やすことは無理でも、子孫だけは残したい。

そんなある日、隣のアパートに美人が引っ越してきた。
アパートといっても一戸建てで、そこの住人とは、先祖代々相性が悪い。
「花咲かじいさん」を読んだ人はご存じだと思うが、隣に住む意地悪じじいは、花咲かじいさんの愛犬を殺してしまうのだ。
だから時代を超えた今でも、どうも相性が悪いというわけだ。

そんなある日、隣の美人が挨拶に来た。
「こんにちは。ご挨拶に伺いました」
「ああ、これはどうも。わざわざすみません」
と、門で出迎えた僕は、思わず固まった。
美人の後ろに犬がいる。白くて大きな犬だ。
ああ、残念だけどやっぱり相性が悪そうだ。
「ホワイトシェパードのシロです。かわいいでしょ」
「はあ。でも、僕、犬は……」
そのとき、シロが突然走り出した。
「シロ、ダメよ」
シロは一目散に裏庭に回り、ワンワンと吠え始めた。
「ごめんなさい。あまり吠えない子なのにどうしたのかしら」
シロは桜の木の下で、ひっきりなしに吠えている。
白い犬、桜の木。ここ掘れワンワン。
あっ、もしかしてここに何か埋まっているのか?
僕はスコップで木の下を掘った。美人の彼女は興味津々で見ている。
「あら、何かあったわ。タイムカプセルかしら」
「いや、ちがう。これは、ただのゴミだ」
出てきたのは、ガラクタばかりだった。
「花咲かじいさん」を読んだ人はご存じだと思うが、隣に住む意地悪じじいが掘った穴からは、ヘビやお化けが出てくるのだ。
つまり隣の犬が吠えたところで、財宝にはありつけない。

シロはそれから毎日来た。
苦手な犬に毎日来られて迷惑だけど、隣の彼女も来るから追い返せない。
そして犬が来るたびに、彼女と僕は親しくなった。
隣りの住人とは相性が悪いはずなのに、不思議だ。
犬も苦手なはずなのに、なぜかシロは怖くない。
僕は彼女とシロが来るのを、心待ちにするようになった。

あるとき、シロが再び吠えた。
桜の木の下で、「ここ掘れワンワン」と吠えている。
どうせガラクタだろうと思って掘ってみたら、小さな箱が出て来た。
「あら、何かしら。今度こそタイムカプセル?」
彼女と二人で開けてみたら、2つの指輪が入っていた。
「まあ、ステキ。こんなサプライズ初めてよ」
サプライズ? 違うけど、そういうことにしちゃおうかな。

「ワンワンワンワン(おまえのお宝は彼女だよ。一生大事にしろよ)」

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おとぎ話(笑)28 [名作パロディー]

<一寸法師>

「ばあさんや、ワシのお椀を知らんかね」
「ああ、一寸法師の船にしましたよ。ちょうどいい大きさだったから」
「ばあさんや、ワシの箸がないんじゃが」
「ああ、一寸法師の船の櫂にしましたよ。櫂がなきゃ漕げないでしょ」
「ばあさんや、ワシのごはんは?」
「ああ、一寸法師のおにぎりにしましたよ。小さくてもいっぱい食べるから」
「ばあさんや、ワシも旅に出る」


<白雪姫>

「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?」
「お答えします。それは白雪姫です」
「なんだと。生きているのか?」
「はい、白雪姫は森で7人の小人と暮らしています。小人の職業は木こりです。働き者です。名前は、ドッグ、グランピー、ハッピー、スリーピー、バッシュフル、スニージー、ドーピーです。年齢不詳ですが、ひげや服装から考えて、若くはないでしょう。小人たちは7人で一緒くたにされていますが、よく見ると顔も性格も違います。怒りん坊とか、照れ屋とか、ねぼすけとか、いろいろです。それから、木を切るときに陽気な歌を歌うのですが、それはハイホー!という歌で……」
「小人の情報はいらん!」


<うさぎとかめ>

ああ、のろまなカメに負けるなんて、一生の不覚だ。
もう一度やり直したい。神様、時間を戻してください。
「よかろう。もう一度だけチャンスをあげよう」
神様、ありがとうございます。
あっ、本当にスタート前に戻っている。今度は居眠りなんかしないぞ。
真面目にちゃんと走るぞ。
絶対負けないぞ!
「うさぎさん、うさぎさん、起きてください。勝負はつきましたよ。カメさんの勝ちですよ」
えっ……、夢?


<マッチ売りの少女>

「マッチはいりませんか。マッチはいりませんか」
「お嬢さん、お困りですか?」
「マッチが売れないんです。おじさん、買ってくれますか?」
「よし、可哀そうな子どものために全部買おう」
「ありがとう、おじさん」
「それから全国民に10万円の給付金を支給しよう。あと、18歳以下の子どもがいる家庭にも特別給付金を支給しよう。飲食店にも支給しよう。消費税を5%に戻そう」
「おじさん、あたし選挙権ないよ」
「そうか。じゃあマッチ要らない」


このシリーズ、28まで続くとは。
自分でも驚きです。
ネタが尽きても、30までは頑張ろう。

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浦島太郎はなぜ? [名作パロディー]

「浦島太郎はなぜ玉手箱を開けてしまったのか」
今日は、このテーマで話し合いをします。
では、各グループに分かれて、話し合ってください。

Aグループ
「お腹が空いたんじゃない?」
「あー、わかる。玉手箱って、お弁当箱と似てるもんね」
「豪華な弁当って感じだな」
「あー、お腹空いちゃった。ねえ、遠足のお弁当って何がいい?」
「玉子焼きとウインナーは必須でしょ」
「のり巻きもいいな。中がお花になってるの」
「でもやっぱり、定番はアレでしょ」
「あー、アレね」


Bグループ
「捨てようと思ったんじゃない?」
「あー、ずっと持ち歩くの、邪魔そうだよね。でも何で開けるの?」
「中身確認しなきゃ。ちゃんと分別しないと、条例違反になるだろ」
「そうか。プラスチックかな?」
「あんな昔にプラスチックなんかないよ。木だよ」
「じゃあ燃えるゴミ?」
「でも、海の中で作られたんだから、違う物質かも」
「サンゴとか?」
「貴重だね。それ、捨てたらもったいないよ」
「じゃあ、アレだね」
「うん、アレしかないね」


Cグループ
「絶望だよ。きっと、ひどく絶望して開けてしまったんだ」
「絶望って、何に?」
「考えてみろよ。三百年後に行っちゃったんだぜ。親も知り合いもいないところに放り出されて、そりゃあ絶望だろう」
「そうかな。僕だったら三百年後に行けたらスゲー嬉しいけど」
「うん。ワクワクするよね」
「行くだけならいいさ。帰ってこれないんだぜ。それでもいいのか?」
「でもさ、三百年後なら、あるんじゃない、アレ」
「あー、あるある。絶対あるよ、アレ」
「アレって?」


Dグループ
「乙姫様が恋しくて開けたんだと思うわ」
「そうかな」
「そうよ。ひとりぼっちで寂しくて、愛しい人を思い出したのよ」
「でもさ、愛しい乙姫が絶対開けるなと言ったのに、開けちゃうんだ。それって、裏切り行為じゃない?」
「開けるなは、開けろっていう意味よ。好きなのに嫌いって言っちゃう男子みたいに」
「ああ、そういう芸人いたよね。押すな押すなは、押してくれってことでしょ」
「なにそれ?」
「知らないの? アレだよ、アレ」
「なに?」
「アレだよ」


さあ、みなさんまとまりましたか。では順番に、発表してください。

Aグループ 「からあげ!」
Bグループ 「ネットオークション!」
Cグループ 「タイムマシン!」
Dグループ 「ダチョウ倶楽部!」

?? いったい、どんな話し合いをしたらそうなるの?


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おとぎ話(笑)27 [名作パロディー]

<大きなかぶ>

おじいさんが植えたかぶが、ビックリするほど大きくなって全然抜けません。
おじいさんに呼ばれて、おばあさん、孫、犬、猫、ネズミが加勢しました。
みんなで引っ張って、ようやくかぶは抜けました。
「おつかれさまでした。みんなありがとう」
「ばあさんや、お茶でも飲むか」
「そうですね。お茶にしましょう。ああ、腰が痛い」

「ところでおじいさん、このかぶはどうするんです?」
「そりゃあ食べるだろう。煮物、漬物、スープもいいな」
「誰がお台所まで運ぶんですか?」
「あ………」



<かぐや姫>

「おじいさま、おばあさま、私は月に帰ります」
「かぐや姫や、達者でな」
「おまえのことは、ずっとずっと忘れないよ」
「それは無理ですわ」
「なぜじゃ」
「私に関わった全ての地球人の記憶から、私の存在が抹消されるからですわ。そういうシステムになっておりますの」

宇宙科学が発達した現代でも、月に生物がいないとされているのは、こうした理由によるものである。



<浦島太郎>

浦島太郎は、乙姫様にもらった玉手箱を開けてしまいました。
白い煙がもくもく現れ、浦島太郎はあっという間におじいさんになってしまいました。
「なんてことだ。おじいさんになってしまったぞ」
そこへ、カメがやってきました。
「あーあ、開けちゃったね。開けるなって言われてたのに」
「教えてくれ。どうしたらいいんだ」
「この契約書にサインして」
「契約書? 何の契約書だ」
「老人ホーム龍宮城。乙姫様のサイドビジネスだよ」



<シンデレラ>

シンデレラは、魔法のドレスと馬車でお城の舞踏会に向かいました。
「12時を過ぎたら魔法が解けるから、くれぐれも気を付けなさい」
妖精はそう言って、シンデレラを送り出しました。
「ああ、お城に着いたわ。ごきげんよう」
急いで入ろうとしたら
「お嬢さん、ちょっと待ってください。検温をお願いします」
「それからマスクの着用をお願いします」
「アルコールの提供は自粛しております」
「感染予防のため、他の方とは充分距離を取ってください」
「そんな、王子様と踊りたいわ」
「王子は本日、リモートでの参加となっております」
「帰ろう」



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おとぎ話(笑)26 [名作パロディー]

<桃太郎>

桃太郎は、サル、キジ、イヌを連れて鬼退治に行きました。
みごと鬼を成敗し、鬼の財宝を奪ってやりました。
「金銀財宝、全部持ってきてやった。これでもう悪さは出来ないだろう。は、は、は」
「あのう、桃太郎さん、上機嫌に水を差すようですが……」
「なんだ」
「舟が沈んでます」
「なんだと!いったいなぜ」
それは、鬼から奪った財宝を積んだからに違いない。
「あわわ、水が、水が~!!」
瀬戸内海の底には、今でも金銀財宝が、沈んでいるとかいないとか。。。



<王様の耳はロバの耳>

床屋は、王様の耳がロバの耳であることを知ってしまった。
厳重に口止めされたが、言いたくて仕方ない。
「そうだ、森に穴を掘って、そこに向かって言おう。穴を塞げば大丈夫さ」
床屋は森に行って穴を掘り、いざ叫ぼうとしたが思い出せない。
「はて、何の耳だったかな? 2文字の動物だったな。ウマ、サル、イヌ、ネコ、クマ。ああ、2文字の動物ってたくさんいるな」
ブタ、ゾウ、シカ、カバ……。
「あっ、カバだったかも。そうだそうだ。カバだ。確かそんな響きだった」
床屋は穴に向かって言った。
「王様の耳はカバの耳! 王様の耳はカバの耳!」
そしてそれは、どういうわけか国中に広まってしまった。
王様は大慌て。国民に向かって声明文を出した。
「カバじゃない! 私の耳はロバの耳だ!」
自分で告白しちゃった。
(床屋)「そうだ、ロバだ。ロバだった。ああ、すっきりした」



<笠じぞう>

「ただいま」
「おじいさん、おかえりなさい。あらまあ、笠が全部売れたんですね。やったー! ああ、よかった。売れなかったらどうしようと思ってましたよ」
おじいさんは、おばあさんがあんまり喜ぶものだから、全く売れなかった笠を峠の地蔵に被せたことを言えませんでした。
「それで、おじいさん、お金は?」
「ああ、金か、金は、その……」
「全部売れたならお金あるはずでしょ。早く出してくださいな」
「金は、あれだ」
「なんです?」
「で、電子マネーだ」
「ペイ?」

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おとぎ話(笑)25 年末スペシャル [名作パロディー]

今年は、コロナコロナの1年でしたね。
こうなったらもう、コロナが吹っ飛ぶように笑い飛ばしちゃいましょう。

<桃太郎>

桃太郎や、鬼退治に行くのは勝手だけどね、頼むから帰省はしないでおくれよ。
あたしたちは年寄りなんだ。感染したら困るだろう。
ああ、でも宝物は送っておくれよ。ちゃんと除菌してからね。
じゃあ行っておいで。はい、黍団子。
ひと口食べるごとにマスクするんだよ。


<かさ地蔵>

「ただいま。峠のお地蔵さんが感染しないように、マスクをかけてきてあげたよ」
「まあおじいさん、いいことをしましたね」
「それから地蔵同士の距離を2メートル離してあげたよ。ソーシャルディスタンスだ」
「あら、いいことをしましたね。今夜あたり、お礼の品を持ってくるかもしれませんね」
ドンドンドン
「ほら来た。あら、封筒が置いてある。おじいさん、何が入っているんでしょうね」
「どれどれ。あっ、GO-TOトラベルの旅行券だ。ばあさん、どうする?」
「今はやめときましょ」


<白雪姫>

「あれ、小人さん達、お仕事行かないの?」
「うん、今日からテレワークになったの」
「木こり……だよね」


<鶴の恩返し>

「いいですか。決して覗いてはいけませんよ」
スー。
「ちょっと、どうしてふすま開けるんですか!」
「1時間ごとに換気をすることになっているんじゃ」
「ほお、きれいな布だね。余ったらマスクを作っておくれ」
「いや、まず鶴だったことに驚こうよ」


<赤ずきん>

「へへへ、ばあさんの振りをして、赤ずきんが来たら食ってやろう」
トントントン
「おばあさま、お見舞いに来ました」
「お入り」
「いいえ、おばあさま。会って顔を見たいけど、今はやめておきます。もしも私が保菌者だったらおばあさまにうつしてしまうでしょう。だから、玄関先に葡萄酒とケーキを置いていきますね。おばあさま、しっかり食べて免疫をつけてくださいね」
「ああ、なんていい子だ。ばあさんを戻して、森でホームステイしよ」


みなさま、今年は本当に大変な年でしたね。
当たり前のことが当たり前じゃなくなって、いつも何かに怯えていました。
コロナが一日も早く終息するように、出来る限りの感染予防をしましょう。

では、よいお年をお迎えください。

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来年もヨロシク!!

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おとぎ話(笑)24 [名作パロディー]

<かぐや姫>

「おや、かぐや姫、もう帰ってきたのかい?」
「月に行ってまだひと月じゃないか」
「だって月って、近くで見たら全然きれいじゃないのよ。ごはんも不味いし、人間が住むところじゃないわね」
「困ったねえ。もうあなたの部屋はないのよ」
「どうして?」
「おじいさんが鶴を助けたら、どういうわけか娘さんが来てね、一緒に暮らしているのよ」
「気立てのいい娘でなあ。きれいな着物を織ってくれるんじゃ」
「話、違ってない?」


<赤ずきん>

こちら、コードネーム赤ずきん。
森でオオカミと遭遇したわ。
ミセス・マミー、あなたの予想通りね。
ええ、大丈夫。気づかれていないわ。
本当にお見舞いに行くと思っているみたい。
騙されたふりで花を摘むわ。
おばあさんに伝えて。安全な場所に避難するようにと。

扉を開けたら、オオカミがおばあさんのふりをして寝ている。
「赤ずきんや、顔を見せておくれ」
下手な芝居だ。声ぐらい変えろ。
「はい、おばあさま」
私はゆっくり頭巾を脱いだ。
「お、お前は!!」
「ふふふ、これが私の正体だ。地獄に落ちろ、悪徳オオカミめ」

全て終わったわ。ミセス・マミー。ええ、おばあさんも無事よ。
えっ、もう次の仕事が?
3匹の子ブタをオオカミから守るのね。ああ、忙しい。
報酬はたっぷりいただくわよ。ミセス・マミー。


<ヘンゼルとグレーテル>

森で迷子になったヘンゼルとグレーテルは、悪い魔女に捕まってしまいました。
魔女は兄のヘンゼルを太らせて、食べようとしているのです。
「さあ、どんどん食べて丸々太れ」
「魔女さん、僕はどんなに食べても太らない体質なんです。ガリガリでちっとも美味しくありません。僕をここから出してくれたら、もっと美味しそうな子供を連れてきますよ」
「本当か? ではお前が帰るまで、妹は預かっておく」
ヘンゼルはグレーテルに「必ず迎えに来る」と言い残し、森を出ました。
しかし何日経っても帰ってきません。
「騙されたのかねえ。あんた、見捨てられたんじゃないの?」
「いいえ、お兄さまはきっと帰ってきます。だって目印のパンくずを撒きながら行ったもの」

「なあヘンゼル。お菓子の家ってどこだよ。おいら腹がへって歩けないよ」
「困ったな。目印のパンくずを鳥に食べられちゃった。僕、方向音痴なんだよ」
ヘンゼルは、再び迷子になっていました。
(教訓:パンくずは目印になりません)

**
24作目ともなると、前に書いたものとかぶってしまいそうで怖いです。
まあ、読む方も覚えてないですよね~(笑)

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